アベノミクス相場はいつまで続きますか?
民主党政権から自民党の安倍政権へと変わり、デフレからの脱却をめざす「アベノミクス」がはじまりました。2012年の年末以降、日経平均株価は軒並み上昇し、この過程で資産を倍増した人も多く出現しましたが、これを機に株式投資をはじめる方も増えてきているようです。
概ね、相場環境は数年間は継続しますので、このアベノミクス相場も数年単位で考えるのが一般的です。「今から株式投資をはじめても高値づかみとなってしまうのではないか?」と考える人も多いですが、相場環境は数年単位で考えることをおすすめします。
リーマンショック以降、株価が低迷していた時期が続いておりましたが、安倍政権が誕生してからは相場環境が明確に変化しましたので、今後はそれがいつまで続くのかに関心が高まってきています。
当面、相場環境が変化する時期としては、2014年以降の消費税増税の時期が想定されています。
2014年に8%、2015年に10%へ引き上げられることが予定されていますが、「増税には景気がよくなっていること」を前提とする景気条項があるため、仮に実際に増税が決定されたとしても、株価が暴落する状況はあまり想定できないと見る人も多いです。
けれども、増税後に想定以上に消費が落ち込み、企業の業績が悪化するとなると、株価の下落という可能性がありますので、今後の株式相場は消費税の増税とその影響が当面のポイントになるといってもよいでしょう。
そのほか、日銀の金融緩和政策の行方もポイントになりますし、アベノミクスによる株高が民間企業の賃金の増加に反映されるのかなども焦点となります。あるいは円安についての理解を国際社会で得られるのかどうかも重要な要素となるでしょう。
いずれにしても、アベノミクスは既にはじまっており、かといって今から株式取引に参加しても遅すぎるという時期でもありません。株取引をはじめやすい環境になっているのではないかと思われます。
ただ、2013年は株式取引にかかる税金が10%のままですが、2014年からは20%に引き上げられることが予定しております。また、NISA口座を開設すれば非課税となることも予定されていますので、証券口座開設の際にNISAも検討してみるとよいでしょう。
【追記:2014年11月時点の途中経過】
その後、実際に消費税の増税が決定され、2014年の4月から8%に上がりましたが、想定以上に消費が冷え込んできているようです。実質可処分所得が5%程度マイナスになっているのに加え、円安により生活必需品のコストも上がってきており、総じてあまり景気がよいとは言えない状況になっております。
一方で、春から公務員の年金共済が投入され、次いでサラリーマンの厚生年金であるGPIFの年金資金も投入、加えて、追加の金融緩和もあったことで約7年ぶりの株高水準になってきております。
来月の12月に消費税10%への増税が決定されるのかどうかに焦点が集まってきておりますが、株高演出で増税に踏み切る形になる可能性が高めですので、今の時期から株式投資をはじめるには、消費税の判断を待ってからにした方がよいかもしれません。