PBRとPERの違い

【PBR】

PBRは、その株価が1株当たりの資産の何倍となっているかを表す指標で、「株価÷1株株主資本」で計算されます。

会社は株主のものですので、万一、会社が倒産した際には資産を清算して株主に分配されますが、このPBRの数値が低いほど投資した金額に近いお金が返ってくることになります。ですので、PBRは清算価値とも呼ばれており、低いPBRの株ほど安心して購入できるといえます。

ただ、会社の資産には、キャッシュや有価証券、あるいは自社の工場や土地、または特許など様々な要素がありますので、必ずしも清算して現金化できるとは限りません。なので、会社が解散した際に実際に投資した分のお金が返ってくるとは限りませんので、あくまで目安と考えておけばよいでしょう。

傾向として、東証1部上場の老舗の会社は、長年、利益を積み上げてきたケースが多く、PBRが低い傾向にあります。一方、マザーズなどの新興市場では新しく出来た会社が多いので、会社の資産の蓄積があまりなく、PBRが高い傾向にあります。

例えば、東証1部にはPBR0.7程度の1倍割れで割安の会社も多いですが、新興市場ではPBR5程度で割高のケースも珍しくないです。これは新興市場では今までの実績よりも、これからの成長性を期待して買われるケースが多いため、PBRが高くて割高だったとしてもあまり気にする必要はないと思います。

また、このPBRは、株価が下落基調にあった際、PBR1.0を境に反発して上昇していく傾向がありますので、参考にして投資判断をするとよいでしょう。

【PER】

PERは「株価÷1株益」で表される指標です。

会社の利益を1株当たりで換算した値段と実際の株価を比較してみて、どの程度まで買われているかを表す数値になります。こちらも、数値が低いほどよい会社ということがいえます。だいたい、10倍から20倍程度となっているケースが多いですが、会社によってまちまちです。

ただし、低ければよいといっても、PER0の場合は赤字となっている意味ですので注意しましょう。

このPBRとPERを人間に例えますと、月給10万円しか稼ぎがないけど、実家が資産家で裕福な人の場合はPBRがよくPERがだめ、一方、貧乏学生が医者になって、月給200万もあるけど貯金がカツカツな人は、PERはよいけどPBRがいまいち、そんなイメージです。

会社も法人といわれるように、法律上は人とみなされますので、同じように考えるとよいかもしれません。

このPBRとPERは短期的な投資スタイルの人にはほとんど意味がありませんが、長期保有を目的でファンダメンタルズを重視して売買される方には有効といえますので、参考にして投資されるとよいでしょう。