証券取引の際のリスク

証券取引には損をするリスクが伴います。

現物取引なら、最悪でも投資した分がなくなるだけで借金まで背負うことはありません。また、株価が急落した際にも、ストップ安による値幅制限があるため、1日や2日で買った株がいきなり紙くずになるということもないです。

けれども、信用取引をしている場合には投資金額以上の損失を被る可能性もあります。この信用取引では少額の資金を担保に、数倍の金額の取引ができますので、儲けるときは大きく儲けることができますが、損をする際には損失額も大きくなりがちです。

この信用取引では「買い」のほかにも、持っていない株を借りてきて「売り」から入ることもできます。いわゆる「空売り」といわれているものですが、この空売りでは株価が下がれば儲けることができ、上がれば損をする通常とは逆の取引のことです。

例えば、1,000円で空売りをし、900円に下がったら100円の儲けるが出るような取引のことで、株価が下がって買い戻した際には利益が発生しますが、逆に上がった場合には損失になります。

買いの場合には株価が「1円」になればそれで終わりですが、売りの場合は連日のストップ高で株価がどこまでも上がることがあるため、膨大な損失となる可能性もあるのです。

この信用取引では証拠金や代用証券を担保として預けますが、「買いの場合での暴落」や「空売りの場合での暴騰」で担保額が足りなくなると反対売買で強制的に決済がされますので、一応は保証金で損失がすむようにはなっています。

けれども、この暴落や暴騰の際には連日のストップ安やストップ高となるケースもあるため、強制決済しようにも取引が成立せず、損失が証拠金をはるかに超えてしまうこともあります。そうなると借金を抱えることになりますが、途方もない金額になった場合でも株の場合は破産しても免責はおりませんので、どうしようもなくなってしまうわけです。

サラリーマンの一生の収入分ぐらいの負債を背負ってしまうと、こつこつ働いて返せる限度を超えてしまいます。加えて、株をする方はもともとは資産持ちの方が多いわけですが、たった一度の失敗で今まで積み上げてきた財産をすべて失い、さらに借金まで背負ってしまうと生きる気力がなくなってしまう方もいらっしゃいます。

「買いは家まで、売りは命まで」といわれるように、信用取引のリスクは比較的高いですので、なくなってもよい余剰資金を使い、できるだけ現物取引をすることをおすすめします。

また、銘柄でいいますと、大企業の大型株よりも新興企業の低位株の方が値動きが荒い傾向があります。大型株の場合、一日に10%以上の値動きがあるケースはあまりありませんが、低位株では日常茶飯事です。

リスクをとっても大きく利益を確保したい方は低位株でもよいかと思いますが、リスクを抑えたい場合には、業績のよい大型株を長期的に保有する取引をするとよいでしょう。